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さいたまの家O様邸

それぞれの環境に適した光と風をデザインする-さいたまの家

0さんの家は昨年10月に竣工しました。壁の断熱材はセルロースファイバー250ミリ、窓はトリプルガラスを入れた木製サッシです。多くの窓には外付けブラインドがついており、南側と東側には長い軒が伸びています。

冬の日中にはたっぷりと日差しを取り込みます。窓の断熱性能が高いので、夜も熱は少ししか逃げず、暖房費を最小限に押さえます。そのため、床下に入れた温水ファンヒーター(温水は家庭用燃料電池エネファームでつくる)1台で、ほぼ家中の暖房をすませています。

夏は長い軒と外付けブラインドにより、日差しは極力カットします。この効果は大きく、家全体の断熱性能が高いことと相まって、家のなかを涼しく保てます。2階の北側には吹抜けを持つご主人の書斎がありますが、2階にもかかわらず居心地は最高です。0さんは「洞窟のような涼しさ」と表現しています。

それぞれの環境に適した光と風をデザインする-さいたまの家

1.2階にある0さんの書斎。上部が吹き抜けになっている。2.アンティークを含めた北欧家具に囲まれたリビング。室内の温度・湿度が安定しているため、家具にもやさしい。3.大きな窓と長い軒、板張りの外壁が独自の外観をつくる。4.夏場の日差しは長い軒と外付けブラインドでカットする。軒下には雨掛かりが少なく活用しやすい場所になる。

四季を楽しむ暮らし方ができる

こうした家では、夏の暮らし方が変わります。夜間は冷たい空気を入れて家の中を冷やします。そして朝になり、気温が上がりだしたら窓を閉めます。こうすると、夕方まで2℃程度しか温度が上がりません。夏でもエアコンなしでほとんどの日を過ごすことができます。これまで断熱は冬を暖かく、快適にするための技術でした。でも、完璧な日射遮蔽と組み合わせることで、夏場にも快適に過ごせる家になるのです。これが新しいエコ住宅の姿といえます。

もう一つ大切なのが湿気対策です。普通の家では夏はべたべたします。それを防ぐのが換気システムです。夏は換気システムがあるおかげで、窓を閉め切ることができ、最小限の湿気しか入りません。さらに0さんの家では珪藻土が全面に塗られているので、より湿度を安定させます。

また、普通の家では、冬は過度に乾燥します。0さんの家の換気システムは全熱型といい、換気の際に湿気を捨てないタイプ。冬でもあまり乾燥しません。そして珪藻土は冬場も湿気を安定させる助けになります。

このように夏と冬が完璧に制御できる備えがあれば、これから涼しくなる季節は窓を開け放って庭と一体になる暮らし方も出来ますし、肌寒い日は窓を閉めるだけで陽だまりの心地よさが得られます。今どきのエコ住宅は省エネだけではなく、四季を通じて暮らしを快適に、アクティブにしてくれるのです。

掲載誌情報
「余はく」vol.16 2012 秋号「これからのエコ住宅」
発行元:ネクスト・アイズ株式会社
取材・文/大菅 力

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